マザー牧場にはハム・ソーセージ造りひとすじに生きている男がいます。
その名は草彅聖一。昭和41年に東京で生まれ、牧場の牛飼いになろうと北海道の大学に進学。
しかしながら大学2年生の時に食品づくりに魅かれ、酪農コースから食品コースに転換。
大学卒業と同時に「美味しいハム・ソーセージを作りたい」との想いで、前年にハム・ソーセージ工房が建設されたばかりのマザー牧場に入社しました。
マザー牧場とは
個性的なスタッフたち
個性的なスタッフたち
ハム・ソーセージ造りひとすじに生きる男
入社当時のマザー牧場は、生産態勢が整っているとは言い難く、また大学で学んだことを実践において役に立てることができませんでした。そこで東京の食肉店に1年間修業に出てノウハウを叩き込まれた草彅は、後に「技術が身について初めて大学で学んだことが理解できて活かせるようになった」と言っています。
それから現在まで30年を超える月日が流れましたが、草彅はひたすら肉の配合、湿度や温度の管理、スパイスの調合、燻製の時間など奥の深いハム・ソーセージ作りの世界に挑み続けています。
草彅の日々の努力が実り、平成27年に「日本ギフト大賞」千葉賞 を受賞。
これを機に、製造能力を向上すべく新しい工房を建設する計画がスタートしました。
このとき草彅は「妥協したくない」との一心で自費でドイツへ飛び、本場の業者と機材について意見交換を重ねました。そして平成28年に草彅のこだわりが詰まったハム・ソーセージ工房が完成。
なかでも燻製加工に使うスモークハウスは、ソーセージ作りに欠かせない要素の管理精度を徹底的に追及したオーダーメイド製品となっています。
この新しい工房で作られるハム・ソーセージへの草彅のこだわりは、「本物」であることと同時に「日本人の嗜好に合ったもの」にあります。
伝統製法が厳格に規定されている本場ドイツですら職人次第で味が変わってしまうなか、本物といえるものを日本人にも美味しく食べていただきたいとの強い想いを抱き、日々製品作りにいそしんでいます。
「ハム・ソーセージ造りひとすじに生きる男」草彅が精魂込めて作り上げた製品を、ぜひお召し上がりください。
【 2020年 草彅の新たなる挑戦 ~鯨肉を使ったソーセージの製造~】
この挑戦は、南房総市にある道の駅「和田浦 WA・O!」からの製造依頼がきっかけでした。
南房総の和田は古くから沿岸捕鯨の地として知られ、夏に捕獲されるツチクジラは400年もの間、地元の食文化や漁業を支えてきました。
草彅は鯨肉という大変興味深い食材の可能性に惹かれ商品開発に取り組みました。
いざ試作を始めると、独特のクセを押さえつつもツチクジラの特徴を損なわず、食べなれていない人の嗜好にも合うようにしなければならないという課題が持ち上がり、思いがけず試行錯誤を繰り返す日々が続きました。
それでも今までの知識と経験によって、全ての課題をクリアすることができ、道の駅「和田浦 WA・O!」にて販売することが決定しました!
完成した商品は、見た目もインパクトある真っ黒なルックスから「黒いソーセージ」という意味の「ジュヴァルツヴルスト」と名付けました。現在、道の駅「和田浦 WA・O!」の売店で販売中です。また、「和田浦 WA・O!」のレストランでも「ジュヴァルツヴルスト」を味わうことができます。
南房総へドライブの折には是非「和田浦 WA・O!」へお立ち寄りいただき、捕鯨地ならではの食文化に触れてみてください。